逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者

http://www.j-il.jp/movie/

 

①  この事態を記録しておかなくては

この作品は、東日本大震災で被災地の障害者の置かれた状況を記録し伝えるために、東北関東大震災障害者救援本部から依頼を受けて取り組みました。

東北関東大震災障害者救援本部は、DPI日本会議、全国自立生活センター協議会 、ゆめ風基金といった障害者団体を中心に発足し、震災直後からさまざまな支援活動を行なってきました。

マスメディアでは様々な震災報道がありましたが、被災した障害者の状況については、断片的にしか取り上げられていませんでした。

救援本部のメンバーが支援活動を通じ、現地の当事者の声を記録すること・伝えることの必要性を感じたことからこの映像製作が始まりました。そこには被災地の人々の状況を伝えるだけではなく、各地の障害者やその関係者に、災害時の備えの必要性を伝えていくという役割もありました。

② 撮影開始

救援本部から映像製作の話を頂いたのは2011年6月で、翌月から撮影を開始しました。
この時期は震災直後の緊急支援が一応は落ち着き、新たな課題や継続的な支援の必要性が見えてきた時期だと思います。


依頼を受けた当初の段階では、主に救援本部を構成する団体の内部で、被災地への理解を深めていくことが記録の目的でした。
しかし、事態の重大さと広く社会に発信していくことの必要性を私自身が感じるようになり、ドキュメンタリー映画として製作することを提案し、了承頂きました。


いまだ大変な状況に置かれている方々もいましたが、支援活動を通じて救援本部と現地の団体や当事者の間に信頼関係が築かれていたことで、取材させてもらうことができたと感じています。



③ 完成後の広がり

映画「逃げ遅れる人々」は2012年9月に完成し、2013年2月に東京都内で完成記念上映会を開催し、同時にDVDの発売を開始しました。

新聞、テレビ、雑誌など多くのメディアに取り上げられ、作品を広く知ってもらうことができました。


DVDは
これまでに2000本近く販売され、各地で上映会が開かれています。結果として救援本部も製作費を回収することができ、その収益は被災地の支援活動を続ける資金の一部にもなりました。